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文化7年に出された『旅用心集』には、「道中所持すべき物、懐中のほか、なるたけ事少にすべし。品数多ければ失念物等ありて、脚面わずわしきものなり」と記されています。旅でもっとも注意をはらうことは、金銭と命の安全でした。
道中記は旅の案内記的なものと自分の旅を記録する為のものと二種類ありました。早い話ガイドブックです。宿帳は宿泊ガイドですね。
金の金額によって入れるところが異なっていました。大金は胴巻にいれて体に直接結び、中位の金は財布にいれて紐を通してから首からさげ懐にしまっていました。小金は、早道とよばれる小型のつり下げ型の小銭入れや煙草入れなどにいれていました。また銭刀とよばれる脇差製のもので、刀をぬくと小刀のところが銭入れになっていたり、金入れとなっていて外見からは区別のつかない刀の鞘など、安全のため様々な工夫もこらされていました。
日時計や磁石、煙草入れや、矢立、印籠など様々な旅道具がありました。
煙草入れは特に旅意外でも普段から身につける道具だけに凝った物が多数ありました。材質や留め金、あるいは根付けなどでこだわりを競い合ったといいます。もっともこれは今の時代でも凝る人がいるのと同じ事ですね。矢立は中に筆と硯が入っている携行用の筆記具のことです。印籠には薬やもぐさ人によっては早道がわりに小銭を入れていました。
変わり種としては、旅枕とよばれるものがありました。これは、今で言う旅行セットで、小さな箱の中に、ソロバン・行灯・鏡・楊枝入れが入っており、おまけに箱自体が枕になるというすぐれものでした。行灯のあかりのもとでソロバンをはじきながら道中の算用を行っている商人の姿が目に浮かぶようですね。
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